寿命100年時代と言われて久しいけれど、本当に100才まで生きられるの?って思いませんか?
そんな中、35万部突破した話題の本があります。
英国の ビジネススクールの経営学者と経済学者のコンビが正面から向き合った本。
「過去200年間、人の平均寿命は伸び続けてきた。そこから導かれる予測によれば、2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするのだという。すると、80歳程度の平均寿命を前提に〈教育〉〈仕事〉〈引退〉の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならない。」
残りの人生の生き方に対する考え方がこの本を読んだ日から変わりました
ビジネスで成功している人の視点であって、人の寿命は本当の所わからないけれど、社会は確実に変化していっているのは確かです。
年々平均寿命は伸びていて、日本でいうと1947年は男性50才、女性53才だったのが、2020年現在は、男性81才、女性87才。73年前と比べると、30年以上も長生きしています。
著者の専門は心理学と経済学。第5章に3世代の人生のシナリオがあります。自分と年齢の近い世代のシナリオと照らし合わせて、人生を客観的にとらえらることができます。
この本には、100年の人生戦略として、お金の面だけでなく、時間の使い方や人との付き合い方などにも触れています。
ハーバード大学の『グランド研究』によると、人生に満足している人に共通する際立った要素の一つは、生涯を通して深くて協力な人間関係を築いていることだということもとても心に強く印象に残りました。「幸福かそうでないかをわけるのは、愛なのだ。」と。
自分がどれくらいの寿命があるのかどうかわからないけれど、残りの人生を生きる上において確実に考え方を変えてくれた本です。
あまり将来のことを考えたことのない人に読んでもらいたいし、ぜひ読んだ方がいい本です。 というのも、今後、公的年金はあまりあてにできないし、日本の経済は、このままの状態であるとは思えないからです。内閣府が2020年2月10日に発表したGDP(国内総生産)速報値6.3%のマイナスと大きく後退してしまいました。
本書は、イギリスの著者が書いていて、おおむね欧米の社会を対象としています。日本は、少子化問題もあるけれど、経済的にも政治的にも大きな転換点にあります。そして、もし資金計画を考えるのであれば、日本円での資産だけでなくもっと視野を広くして考えて行かないといけません。目の前の忙しさに忙殺されていると、老後がとても寂しいことになってしまいます。今からでも遅くありません。開眼しましょう。
全世代必読の書
大絶賛35万部
写真は、32万部の時のものですが、35万部突破したそうです。
筆者は、下記の2人。
Lynda Gratton リンダ・グラットン。ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。
Andrew Scott アンドリュー・スコット。ロンドンビジネススクール経済学教授。前副学長。
どちらもロンドンビジネススクールの教授です。日本語版への序文も冒頭に10ページほど掲載されていました。
「日本は他の国に比べて長寿国であるから、お手本になれる。世界の先頭に立ってほしい」
お金偏重の人生を、根底から変える。
成長至上の次に来る、新しい生き方。
表紙を開けると、カバーの裏に上記の言葉。
私も最初は、本当に100年時代?という疑問もいだきつつ、本を手にとりました。
若い世代からシニアまで参考になる内容です。
本の概要
みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という
3つのステージを生きた時代は終わった。では、どのように生き方、働き方を変えていくべきか。
その一つの答えが本書にある。100歳時代の戦略的人生設計書。
【目 次】 日本語版への序文 序 章 100年ライフ 第1章 長い生涯――長寿という贈り物 第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊 第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方 第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの 第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる 第6章 新しいステージ――選択肢の多様化 第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか 第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ 第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる 終 章 変革への課題 |
この本は、下記の3世代をベースにそれぞれの時代背景からシナリオを想定し、どういう生き方をしていくのかを提案しています。
- 1945年生まれのジャック 70才で死亡。
- 1971年生まれのジミー 現在49才。平均寿命85才。
- 1998年生まれのジェーンの世代 現在22才。100年以上生きる可能性が高い。
ジャックは、定年退職後、約8年後に死亡。引退期間8年。公的年金に加え、企業年金も貯金もあったが、ジミー以降は、そうはいかないし、時代的にも同じ仕事で一生いきていくということもできない。
ノープランでいきていくと*オンディーヌの呪いのように死ぬまで働くことになります。働けなくなった時が寿命という人生です。
*眠り込むと、呼吸が止まってしまう、とても危険な病気がある。これを、「オンディーヌの
そういう時代背景をもとにしたシュミレーションをしてみると、時代にあわせた技術や知識のアップデートは時折必要です。
そして、重要なのは、お金だけではない、見えない資産の大切さ、長い人生を支えるのに必要な無形の資産をどのようにマネージメントするのかという点です。
未来のことはわからない。しかし、「私は何者か?」「私はどのように生きるべきか?」という問いに答えられるのは、結局のところ本人しかいない。
ご興味のある方は、手にとってみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略
リンダ・グラットン / アンドリュー・スコット著
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